ピアノ講師ぴちち先生の五感

「発表会の服は?曲は?」「ピアノって認知症予防になるって本当?」「指使いって大事なの?」等、普段よく質問される事柄についてピアノ講師歴約20年の経験から綴っていきます。日々のレッスンで感じた事等も交えて。

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憧れの曲「ラ・カンパネラ」

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リストの「ラ・カンパネラ」が弾けるようになりたいんですけど、あと何年くらいで弾けるようになりますか?

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地味にこの質問は多いのです。

 「あと5年くらい頑張ったら弾けるようになるよ☆」と出来る事なら言ってあげたい。

ショパン「幻想即興曲」「小犬のワルツ」ベートーヴェンエリーゼのために」「悲愴」等はまだ現実的なので「このまま頑張って、あと2年くらいしたら挑戦しようか」等と言ってあげられます。

 

◆大人の初心者さん

大分昔、大人の初心者の方が「カンパネラが弾けるようになりたいんです。」と言ってうちに来た事があります。

おそらくこの頃はフジコ・ヘミングさんが注目されていた頃でした。よくテレビでもお見かけしましたし、その度にカンパネラが鳴ってました。素敵な曲ですよね。

華やかで鮮やかで大変リストらしい。曲も短くて速くてカッコいい。これが弾けたら一目置かれる事間違いなしです!

 そんなカッコいい曲に憧れてピアノ教室の門を叩いて来て下さったわけですが、すぐには叶えられない夢なのであります。簡易版の楽譜もありますが、まだドレミもわからない為とりあえずピアノの弾き方から教えることになります。

 なんと2週間で挫折

短すぎるお付き合いで、名前も覚えておりません。

でもピアノが難しいとわからないような方でも、ラ・カンパネラは「ピアノ教室へ足を運ばせる」という威力を持った曲なんだなと当時思いました。

 

◆小学生の生徒

生徒によっては憧れの曲を紙に書いている子がいます。自分の好きな曲だとモチベーションが高く、練習もよくするのでわりとその中から選曲したりします。

その中にありました。

「ザ・カンパネラ」

 不意打ちをくらったので思わず吹き出してしまう所でした。

ザ・ベストテンがすぐに頭に思い浮かぶのはきっと私が昭和の人間だからでしょう。

「◯◯ちゃんごめんね。ここちょっと直していい?」とザからラへ。

鉛筆で書いていてくれて良かった。

そして改めて説明。この曲はとりあえずピアノを長くやっていればいつか弾けるようになる曲ではなく、ちゃんと技術を身につけないと弾けない曲であると伝えます。

どんな曲かというとこんな曲。

動画を探すのについつい聞き惚れてしまったキーシンのカンパネラ。

ちなみにカンパネラは「鐘」という意味です。


Evgeny Kissin La Campanella

もう神がかり的に美しい。どんなに憧れても練習しても絶対に手の届かない領域。聴いていてゾクゾクします。

 

楽譜を見たい方はこちらをどうぞ。ブレンデルの演奏です。


Brendel plays Liszt/Paganini - La Campanella (Audio + Sheet Music)

 

何にせよ、憧れの曲を持つ事は大事です。「いつかこの曲が弾けるようになりたい」という思いが強ければ強いほど日々の練習も頑張れます。

よく生徒には「憧れの曲を普段から沢山見つけておいてね」と言っています。勿論弾けるようになることが第一の目的ですが、とにかく色んな曲を沢山聴いてほしい。

自分の宝石を探す為にたくさんたくさん曲に触れてほしいです。

 


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